いかがお過ごしでしょうか?
お子さんがいらっしゃるご家庭の親御さん、特にお母さん、夏休みお疲れ様でした。ようやく少し一人でくつろぐ時間ができそうでしょうか。僕は、家で仕事をしています。さすがに1日中、小さな子供の猿のような奇声を聞いていると、ここは動物園かと錯覚しそうになるので(笑)、日が陰ってきてからウォーキングへ。普段車で通るような道でも、ゆっくりのスピードで歩いていると、見えてくる物が違います。こんなところに店があったのか、なんて気づくことも。何の気なしに通り過ぎている場所にも、まだまだ知らない世界は広がっている。
日本って、やたら3連休が多いですよね。仕事をしているとリズムは狂うし、前もって計画しておかないと結局ダラダラ過ぎていく。これは、ずっと思っている事ですが、バラバラに散らばった祝日をぎゅっと一箇所に集めたら2週間位の休みが作れそうじゃないですか。「セカンド・バケーション」なんてネーミングにして、日本全国民が休みを取れば有意義な時間になりそうなものなのに。
そういう今月も3連休があるじゃないですか。この間まで夏休みだったのに、なぜこの中途半端なタイミングでまた連休にするかね?日本政府は祝日のデザインを絶対し直した方がいいですよ。と文句を言っていてもまぁ、休みならどこかへ行こうか…となると近場の日帰りで行ける所へということになります。いざ、出掛けようとすると高速道路は大渋滞、人混みをさけようと目的地へ向かったはずが人まみれ。結果、滞在時間より移動時間の方が長くないか?と、クタクタになって帰ってくる始末。そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
人が集まるという心理の裏には、他の選択肢が見当たらない、行くなら失敗したくないという集団意識が働いているのかもしれません。それか、ただ人気なだけか。そんな事を言っていても、最終的にそこが混んでいるという事実は一向に変わりがないのです。
僕は、このずっと変わらないであろう習慣を打ち砕く、画期的なアイデアを思いつきました。
仮に、多くの人が郊外へ移動するなら、逆に都会へ向かってはどうだろうか?と。実際に、正月に都内へ出向いた時、いつもの週末に比べて思ったよりガラガラだった記憶があるのです。
だとすれば、「休日にオフィス街に泊ってはどうだろうか」と考えてみました。
都心の皆さん、鎌倉へは行かないでください。新橋に行くのです(笑)。「え〜!なんで休日にわざわざ…」そう思いますよね!?でも、LLFKの読者の皆さんには是非真似して頂きたい休日の過ごし方なのでございます。
主なポイントはこちら。
・ホテルが安い
・渋滞は皆無
・子供はどこでも楽しめる
・美味しい飲食店が空いている
・迷わない
・意外に、発見がある
オフィス街には出張用にホテルが沢山あります。主に仕事で使われるそれらの多くは、休日は空いている事が多く、価格が安めに設定されています。また、そこへ向かう道中は軽快そのもの。反対車線の渋滞を笑顔で眺めながら、いつもより短い時間でホテルに到着。車を停めて周りを見回すと「なんかやっぱりオフィス街って楽しくないな」と一瞬闇が刺します。が、チェックインしてしまえば何の問題もありません。
子供はどこでも楽しめる。ベッドで飛び跳ねたいだけですから。いつもと違う部屋で泊まること自体が、彼らにとって非日常。大浴場がついていたらもう最高!場所は関係ありません。
オフィス街には美味しい店が沢山あります。予約の取れない高めの店から、いつも並んでいる大衆的な定食屋まで。競争率が高いですからコスパが良い店が多い。そして、何と言っても平日は人で溢れかえっているレストランも、休日となればガラガラ。子供連れでも入りやすいです。僕らも、夜はホテルの近くにあるイタリアンレストランへ行きましたが、3時間くらいゆっくりしていた気がします。翌日もいつも並んでいるシンガポール料理のレストランへ。そこでも長居をしてしまいました。オフィス街の休日レストランは時間の流れがゆっくりで、本当に穴場が多い気がします。
また、自分の通勤のエリアか否かは置いておいて、訪れた事のない観光地ではないので、多少なりとも土地勘があります。ずっとスマホとにらめっこしながら歩かなくても良いので、これもストレスが少なくて◎。
仕事をするような場所で休日を過ごすのは、なんだか損をした気分になりますが、実はそうでもない。普段は通勤で通る事のない路地を歩けば、「こんな所に。」と知らなかったお店をを発見したり。そして、子供にとっては、あまり訪れることのない“大人が働いている場所”を体験できる、貴重な教育のチャンスになるのです。
僕達もこれといって観光スポットに訪れたわけもなく、オフィス街に泊まり、街をブラブラして、ユニクロに行って、お茶をして帰ってきただけです。それでも普段の買い物とは違い、家族は楽しそうにしていました。
家から電車で行って帰ってこれるような場所に、わざわざ泊まってみる。自分の働いているエリアに、敢えて家族を連れて行く。観光地なんて行かなくたって、計画なんて何もなくったって、先入観をポイッと捨てて、家族と一緒に飛び込んでみれば、それが「旅」になる。
3連休、是非オフィス街に泊まってみてはいかがでしょうか。
つづく
和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。