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LLFK-vol53 「旅の香り」

Season6「旅」旅の香り 2022年8月26日

みなさん、少しご無沙汰しておりました。1ヶ月ぶりですね。「暑い」しか言葉が出ない日が続きますが、元気に過ごしていますでしょうか。ふと、頭の中に森山直太朗の「なぁ〜つのお〜わ〜りぃ〜♪」と流れるのですが、一向に夏は終わってくれそうにありません。

夏の終わりと言えば、先日娘が飼っているカブトムシが死んでしまいました。悲しそうな娘の顔を見ていたら、何とかしてあげたくなってホームセンターへ。まだ売っているだろうかと探すと、ありましたありました。さて、どの子にしようかな?とカゴを覗いてみると、あれ…元気がない。こっちの子は…動いてない。結局、大半のカブトムシがそんな状態なので、購入を断念。後日実家の父とそんな話をしていたら「カブトムシは一夏しか生きないからね。昔は盆が過ぎれば涼しくなったもんだけど、今はまだ暑いからねぇ。」と。
どうやらカブトムシにとっては、どれだけ温暖化になろうが、夏の終わりは昔と変わっていないのかもしれません。

香りの記憶

今回は、「旅」というテーマでエッセイを書き始めてから、ずっと持ち歩いている物のお話しをお届けします。きっかけは、出張先のホテル。ベッドリネンの匂い(いわゆる皮脂的な)が取れていない事が続いていたので、何かシュッとするルームスプレーが欲しいなぁと思っていました。できれば小さくて携帯に便利な…と見つけたのが@aromaのSleeping Supportのピロー&エアミスト。できればリラックスしたいので、香りは、【DEEP BREATH(ディープブレス)】をチョイス。元々は快適な眠りをサポートするための商品のようですが、リラックスする空間を作るという意味では眠るためだけに利用しなくても良いと思います。

LLFK-vol53 「旅の香り」

ポーチにさっと忍ばせておき、チェックインしたての部屋にシュッとスプレーをします。すると森林に着いた時のようなウッディーなノートがまず先に、それをくぐった後にフレッシュな柑橘系の香りが、すっと鼻の奥へと届きます。香りを言葉で説明するのは難しいですが、空気のトーンが一段階澄んだ感じで、華美ではなく、部屋全体が現代的で高級感ある香りになるのです。

それから、旅には必ず持って行くようにしています。クタクタになって帰ってきた大阪のホテルでも、1日缶詰になって作業をしていた京都の旅館でも。気がつけば、あちこちにDEEP BREATH君を連れ回したものです。使っていて意外な場所もありました。それは、実家です。帰省した際に寝泊まりしていた部屋がどうも落ち着かず、試しにシュッとしてみた所これが効果てきめん。自分が好きな香りの空間をいつでも作れるのは、精神的にも安定する効果があるなぁと、使う度にしみじみ感じているのです。

香りの記憶は、強く刻まれる。
最初はニオイ対策にと使い始めたはずが、いつの間にやら「旅の香り」の象徴となりました。嗅ぐと、また新しい場所へ来たぞという感覚が芽生え、同時に色々な記憶がフラッシュバックします。良い思い出も悪い思い出も。

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されど水

記憶といえば、最近、旅の楽しみの比重が「宿」に傾いています。観光はほどほどに、現地のグルメを買い込んで宿でゆったり過ごす。そんな楽しみ方をしていると、それぞれの宿のホスピタリティや考え方に触れることができる。そのひとつに「水の扱い方」があります。ホテル滞在に水は必要不可欠。ペットボトルが部屋に常備してある場合が多いでしょうか。他に、前回の日田や岐阜など、水が綺麗な土地に行くと、冷水が保冷ポットに入っているケースも。確かにそこから飲む水は美味しい。でも更にその上を行く新しい水の楽しみ方を発見したのです。

LLFK-vol53 「旅の香り」

それが、缶の水。三井ガーデンホテルに泊まった際に偶然出会いました。この系列のホテルでは、必ず缶に入った水が常備されているようです。お風呂上がり、冷蔵庫からキンキンに冷えた缶を出し、プシュっと開けてから腰に手を当ててグビっと飲み干す。でもそこに入っているのは水。ビールじゃないんです。スーッと喉を通り体に染み渡るピュアな感覚が、お酒とは全く違っていて、とても気持ちが良い。「缶の水、うま!」初めて口にした際に、叫んでしまったほど(笑)。

あまりに感動したので、一缶家に持ち帰ってみました。どこに売っているんだろうと調べてみると、どうやら非売品。ホテル専用のお水のようです。やるなぁ三井グループ。 よくよく考えてみると、缶の水ってあまり売ってませんね。見かけるのはペットボトルばかりで。諸説理由はあるようですが、これからは缶の水の時代だ!と勝手に思っています。環境にも良いですし。飲んだ感触は一度缶を体験したら、ペットボトルには戻れない。絶対缶だよなぁ〜。

是非、気になる方は三井ガーデンホテルへ。このお水と対面できます。そして大浴場がある場所を選んでみてください。風呂上がりの水は、格別ですよ。

旅を彩る仲間達

ルームスプレーと缶の水。まったく関係のなさそうな物達ですが、僕にとっては旅で出会った大切な仲間達。出掛ける度に、コレクションのようにひとつづつ新しい仲間が増えていきます。旅先のレストランで、テーブルに乗っている紅ショウガの容器が妙に可愛くて、後で買った。そんな事がこの間もありました。

次はどんな出会いが待っているだろうか。
スーツケースにもシュッと“旅の香り”を吹き、次を楽しみに閉じるのでした。

つづく

LLFK-vol53 「旅の香り」

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和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。