KOZLIFE

LLFK-vol36

Season4「ヒト」これからのKOZLIFE  2021年10月22日

みなさん、こんにちは。10月で13周年を迎えるKOZさんが、どんなメッセージをブログに書くのだろう?と気になって楽天ブログを見に行った所、まさかの「終了」という文字を見てびっくりしていました。サービス提供終了という事らしいのですが、別に止めなくてもいいのにと個人的には思っています。商品を買おうか迷っている時にかなり参考になりますし、膨大なアーカイブには価値が詰まっています。1月までは見られるそうなので気になる過去記事は今のうちにスクラップしておこおうかな。投稿自体はアメブロで続けられているそうなのでそちらもチェックしてみてくださいね。さて、今回は前回から続くKOZさん13周年記念の後編のお話にまいりましょう。 ※編集注 こちらにございます通り、楽天ブログ(店長の部屋Plus+)はサービス提供が終了されることになりました。長らくのご愛読ありがとうございました。ブログは2022年1月まで閲覧可能です。KOZブログは引き続きアメーバブログにて更新しております。

聞いてみよう

前編では13年間の中で垣間見える人間模様をお伝えしました。そんな中、記事を書きながら常に頭に浮かんでいた事がありまして。それは、「これからってどんなKOZさんになっていくんだろう?」と。新しい商品からそれを感じる事はできるかもしれないけれど、確かではない。それなら直接聞いてみよう!と、小柴大樹・美和子夫妻(社長と店長)を多忙の中なんとか捕まえ(笑)、インタビューをお願いすることにしたのです。

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―この13年で変わった事はありますか?(和田)

長いようで短い13年間でした。まだまだこれからも続きますが、そんな中で変わった事はやはり商品のラインナップです。 元々は北欧中心の物がほとんどでしたが、その垣根を壊して調理道具を始めて、いろんな窓が開き始めました。最近は、香り系やアパレルも多くなってきて。最初は自分達のスタイルを決めきらずに変わりつづけていくのは不安でしたけれど、今はこれで良かったなって思っています。(大樹さん 以下:大)

KOZ のメンバーにも子どもが生まれて、育児をしながらでも職場に戻ってきてくれるスタッフも多くて本当に感謝してい ます。私にとっては家族と同じですから、みんなの希望に応えられるよう常にそれに合わせて会社を変えていこうと考えています。(美和子さん 以下:美)

―逆に、変わっていない事はあったりしますか?

1周回って、やっぱりデンマークや北欧の物っていいなあと感じています。生活に対する考え方から物作りに対する環境配慮まですごくしっかりしていて、且つデザインが洗練されているので、生活のお手本になる製品が多いです。(大)

変わってないこと。お金がなかった13年前に始めたブログでしょうか。これなら無料だし毎日できるとコツコツ書きためてきました。今ではすっごい量になっちゃいましたが、変わらずにずっと続けているKOZの宝です。(美)

―毎日やる、続けられるってある種の才能だと思うんです。
何か秘訣ってあるんですか?

どうなんでしょう〜〜〜〜〜・・・・うーん、ない・・・かな(笑)。 ブログやらなきゃー!!!って頭を抱える事もしょっちゅうありますし。実は、少し頻度を落とした期間もあるんですね。 重荷になったので一回休んでみました。初心にかえって冷静に見る事もできるので、気を休めながらやるっていうのが続けてこれたコツなのかもしれません。(美)

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デンマークから学ぶべきもの

―今KOZLIFEとして、関心のある事を教えてください。

今は「健康と環境」でしょうか。年齢を重ねてきたというのもありますけど、健康でないと何も楽しめないですからね。 周りに迷惑をかけながら生活はしたくありませんし。そういう点では環境も同じ考えでいます。地球に迷惑をかけたくない。まだまだ日本は大量生産大量消費がメインストリームだと感じていて、中には「なんでこんな物が?」と少し悲しさを感じてしまうような時もあります。KOZは昔から、試して使ってから紹介するスタイルを貫いていますから、ブランドバリューではなくて、ちゃんと環境に良い物かどうかを見極めていこうと思っています。(大)

―SDGsやサスティナブルという言葉が行き交っていて、環境は世界中で関心の高いジャンルだと思います。でも個人的には、良く聞くようになった半面、実際の生活に浸透させるのって難しいなと感じているんですけど、そのあたりどう思われますか?

デンマークは、世界一幸せな国って言われているだけあって働く事と生活のバランスがすごく取れているんですね。女性も平等に働いていますし、上に立つ役職でも女性が多い。差別が全くないんです。20〜30代の若い人達がメインで活躍していて、若いオーラに溢れているので競争よりも、調和を大切にしているんだなって羨ましくなります。(美)

その分税金は高いですけどね。27歳にデンマークで働いていた時、給料の半分を税金で持って行かれたのはさすがに怒りを覚えてましたけどね(笑)。(大)

LLFK-vol36 大樹さんが住んでいた街NYHAZN(ニューハウン)

―生き急いでいる感じがしない国なんですね。

女性が主っていうのが大きいと思います。どうしても男性だと攻めの社会になってしまうのですが、子どもを授かる事のできる女性は自然と「守ろう」という心になるんでしょうね。世界的に見ても、デンマークやフィンランドなどの北欧エリアは特にその特徴が色濃くて、自然とみんなの幸せを考えて行く事ができる風土があります。例えばフィンランドのKalevala Koru( カレワラ・コル ) というジュエリーブランドは、女性の社会進出と子どもの支援を目的とした会社。ジエリーという女性を勇気づけるアイテムを通じて、国の社会における女性の重要性に関心を持ってもらおうとする考え方が製品を更に良く魅せていますよ。(大)

KOZLIFEもほとんどが女性です。子どもを産んでも辞めずに戻ってきてくれるように仕事環境は改善し続けています。できる限り一人一人に合わせた働き方を話し合っています。(美)

物より人を大切にしている感じがしますね。

そうなんです。素材がリサイクル可能とかそういうのはもう当たり前で、その前提に、それを作る人達が無理のない働き方をしていて、調和が取れている。僕はここが結構忘れてしまっている事じゃないかなって思っています。幸せな気持ちの人達から生まれる物は、おのずと配慮ができているんですよ。サスティナブルな製品を作ろうと無理矢理汗を流すのではなく、自分達が幸せな気分でいることが先決。KOZLIFEもそうありたいと思っています。(大)

LLFK-vol36 Kalevala Koru

―それを買って使うことで繋がっている感覚にもなれそうですよね。

「心に残るもの」。これも、これから大切にしたいキーワードのひとつです。物売りとして仕入れて売るの繰り返しだとどうしても内向きの毎日になってしまう。今まではそれで良かったのですが、これからはもっと学びや知識を蓄えていかないとと思っています。そういう意味では色々なジャンルの達人の方をコミュニケーションを取りながら、お客様の心に残るコンテンツが自分達でも作れるようにレベルアップしていきたいですね。(大)

サスティナブルってついつい商品や資源に目が行きがちです けれど、その前提としてそれを発している私達とお客様の間で通じ合う何かがないとダメだなぁって感じています。InstagramにKOZの商品をアップしてくださる方の写真を見ていると「会えないけれど、心は通じているんだな」ってウルっと来てしまうことも多いです。これからはそういう方々と、もっとコミュニケーションを取っていきたいと考えています。(美)

―貴重なお時間、ありがとうございました。

心のサスティナビリティ <あとがき>

インタビューをする前は、新しい商品の紹介もあるんだろうなと正直思っていました。結果そんな話は全くなし。良い意味で期待を裏切られました。「大切なのは、物じゃなくて人だよ。」と、物を売るショップさんから聞いたのには、驚きました。KOZLIFEとお客さん・そこに関わる人々の周りにグルグル飛んでいるのは商品だけではなくて「心」なんだろうな。「心のサスティナビリティ」これからはそこが大切になってくる。そう気づかされたのです。

先日とある見本市へ出かけました。展示ブースの至る所にSDGsのロゴやエコ・サステイナブルという文字が掲げられ、その看板の下に疲弊したスーツ姿のおじさんがパイプ椅子に座り、ぼーっと通行客を眺め続けているのを見て、日本の道のりはまだまだ長いなぁ…と思ったというのは、ここだけの話。

Season4「ヒト」おわり

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和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。