KOZLIFE

LLFK-vol33

Season4「ヒト」健康とは2021年9月3日

なかなか不安な日が続きますね。皆様ワクチンは打たれましたでしょうか?副反応が出たりなど、方々で情報が錯綜しています。僕もこれを書いている今日で2回目摂取から数日経ち、微熱も治まりました。が、得体の知れない異物が体内にいるような違和感があり、何だか変な感覚が続いています。今回は、命の次に大切な「健康」について斜め45度から面白可笑しく語っていきたいと思います。

禁酒神社

「あんた本厄でしょ。厄払い行ったの?」母親が放った一言を素直に受け止め、行ってきました厄払い。ピリッと緊張感のある本殿でお祓いを受け、心身共に清らかな気持ちで神社の森林を散歩。猛暑にも関わらず、木が生い茂っているとこんなにも涼しいんですね。吹き抜ける風がさらっと湿度低めで、本当に心地が良い。アスファルトジャングルの中で「暑い暑い…」と嘆きながら生活をしているのがバカバカしく思えてきました。便利になったはずなのに、環境的には悪化している事が、こういう所に来ると身に染みます。虫が一匹もいない定規で書いたようなミニマルな都市空間も格好良くて好きですが、こういう森林を都会の真ん中に残せなかったのだろうか…そんな事を考えながら神社とお別れ。

LLFK-vol33

今年は健康について色々と考えさせられる事が多い。ということで、試しに大好きなお酒を止めてみたのです。効果はすぐ現れました。明らかに眠りが深くなり、身体が軽い。最初は、飲みたいな、という気持ちが見え隠れしましたが、3週間位でお酒という存在が頭から消えました。そうなればもう、飲まないのがデフォルトに。

ノンになったら

クリーンな身体になった!と喜んでいたのも束の間、逆に失った物があることに気がつくのです。ひとつは「時間を持て余す」。お酒を飲んでいた時間が丸っとなくなるわけですから、特に夜はする事がなくなり結果早く寝る事に。健康になって尚良いのでしょうが、夜長を楽しむ事が減り、どこか大切な物を失った感が否めません。ふたつめは、まぁまぁ致命的で「料理に興味がなくなってきた」という事。このお酒にはこの料理だろう!と食材を買いに出かけ、家で料理をして嗜む時間がなくなり、料理をする回数が減りました。あまり自覚していませんでしたが、お酒と料理の組み合わせをいかに大切にしていたかが浮き彫りになったのです。

LLFK-vol33

身体はどんどん健康になりますし、生活にも無駄がなくなる。真面目な時間が増えるので性格も徐々にそうなっていく。人生がスッキリして良い方向なんでしょう…きっと。でもこれって本当に健康と言えるんでしょうか?そもそも、健康ってどういう状態なんだ?と考えるようになってしまったのです。

寄生しているのは

皆さんは「寄生獣」というマンガをご存知ですか?謎の寄生生物と共生することになった高校生・泉新一の数奇な運命を描いた岩明均の伝説的作品です。連載されたのは33年も前で、2014年に映画化されたのが記憶に新しい所。このコロナ禍と通ずるテーマがあると改めて注目されています。単行本は10巻までと一気に読めてしまうので、読んだ事のない方は是非。

LLFK-vol33

「誰かがふと思った。生物(みんな)の未来を守らねば…」冒頭で登場する有名なフレーズ。物語は終始この一言に集約されていて、この(みんな)をどう捉えるかで意味が全く変わってくるという内容です。人間と寄生生物の戦いがメインストーリーで、人間はグロテスクな見た目の寄生生物を根絶しようとします。最初はそれが正義に見えているのですが、物語が進むにつれ「あれ?」という感覚に陥るように。作中にこんなセリフがあります。「人間に寄生し生物全体のバランスを保つ役割を担う我々から比べれば、人間どもこそ地球を蝕む寄生虫!! いや……寄生獣か!」と。読者にとって寄生獣とは、人間に寄生するパラサイトのことだと思っていたはず。でもこの言葉で一転します。本作のタイトルは、地球に寄生する人間という意味であったことが分かる衝撃的な名言。そして冒頭のフレーズを再度読んでみると全く違う視界が広がるのです。

ちょっと汚いくらいがいい

子供が食べるお菓子には、着色料・保存料不使用という言葉が書かれているのを良く目にします。反面、僕達親世代が子供だった頃に食べていた駄菓子の数々を思い出してください。砂糖をまぶした真っ青な飴や絵の具くらい鮮やかなグリーン色のジュースなど鮮やかなお菓子を好んで食べていたものです。舌もカラフルになれば心もカラフルになり、友達と大騒ぎ。着色料が身体にあまり良くないと聞かされたのは大人になってからで、「もっと早く言ってよ?!身体に染みこんじゃってます、もう。」と言うしかない始末。でも、身体に悪かろうがあの頃の思い出が汚れることはなく、楽しいまま今も残っています。昔は道理が通っていなかったり、善悪がハッキリしていない・身体に良いか情報がなかったりと「よくわからないこと」と共に生活していたなと思うのです。少なくとも今みたいに隅から隅まで情報がビッチリ行き届いていて、全てが合理的にクリアな感じではありませんでした。

LLFK-vol33

これは僕の視点ですが、現代の子供達はもっと汚いものに触れた方が良いと思うのです。どうも一昔前に比べ清潔な生活をしすぎていて、体の抵抗力が弱まっているような気がしてなりません。土を食べろとは言いませんが、花の蜜をなめてみたり、泥だらけになってみたり。衛生的には良くないかもしれないけれど、不純物を取り込みながらたくましく成長してほしいなと。

寄り添い生きていく

寄生獣の物語は最終的に寄生生物との共存という所まで進んでいくのですが、本来であれば拒絶したい存在を許容していくという選択が、まさに今の私達の状況を連想させます。寄生生物は人間を絶滅させるために現れたのではなく、ただ生きようとしていただけ。それとどう寄り添い生きていくかという所を考える事で、地球的には前に進んでいくのかもしれません。

結局、お酒はたまーに飲む事にしました。そして、厄年は何もないようにクリーンに過ごしていくのではなく、悪い事があってもそれが自分の耐性を作ってくれると歓迎することにしました(笑)。それを僕の中での「健康」の答えにしようと。

つづく

LLFK-vol33

この記事で登場した商品はこちら▼

和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。