KOZLIFE

LLFK-vol05

Season1「時間」時間がありあまる2020年5月15日

スペインでは、昼食を14時位に取りそのまま少し昼寝をする「シエスタ」という習慣があります。シエスタはざっと2時間ほど。昼食後ソファなどでちょっと仮眠をする人が多いそう。ヨーロッパの夏休みも長く、バケーションと言って2ヶ月くらい取る人もいます。お店も休業になったり、街全体が休み。そんなゆったりした文化っていいなぁと羨ましく思っていました。昔友人と雑談してた際、「日本人は絶対に働き過ぎだ。全国民が絶対に休む1ヶ月、経済活動はしちゃダメっていう月が年に1回くらいあってもいいのに。」と口に出したことが、今目の前で現実になっています。今年の連休は、みなさんはどう過ごされましたか?

LLFK-vol05 敢えてお酒を飲みながら仕事したりしてみる。

だらだらするよ、そりゃ

インドア大好き。家にいるの大好き。2週間位であれば全然家から出なくても大丈夫!そう豪語していた自分ですが、この大型連休で約1ヶ月。正直ちょっとキツくなってきました、ごめんなさい(笑)。例年の連休でも、結構家にいることが多かったのですが、自分で選択して家に居るのと「外出しないでください」と言われるのでは訳が違います。気分転換に外を少し散歩してみたりはしますが、根本的にはスッキリしていないような気がします。世界中がそうなんですから、仕方がないですが、これはダラダラしてもいいだろう!と完全に割り切り、怠惰な生活を思いっきりしてみることにしました。

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リュウジの日本酒ラーメン

ベッドでゴロゴロしながらYoutubeを気持ちよさそうに見る長女。いつもなら「またゴロゴロして!宿題やりなさい!」と一喝しますが、今は連休ということで、同じく携帯片手にベッドにダイブ!同じ姿勢で僕も充電することにしました(笑)。ウトウトしながらも調べ物をしたり動画を見たり、確かに最高。そりゃ子供達もやるわけです。Youtubeのおすすめ動画に、何やら面白そうな動画を発見。料理研究家リュウジのバズレシピというチャンネルの「日本酒で作る世界一旨いサッポロ一番塩ラーメン」とあります。(後にこれは半年位前に結構話題になったと判明)再生してみると、テレビで見たことある人だ〜なんて思いながら、結構簡単そうだし、美味しそうに食べるな〜、家にちょうど塩ラーメンがあったのでやってみようかということになりました。

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行程は簡単すぎるので動画を見て頂くとして、結論・・・いやーーー、これは凄いです!控えめに言ってラーメン屋さんに行きたい欲がなくなります。少し甘い香りが漂いながらも、ガツンとコクと旨味が出ていて、何より誰でも間違いなくできる所が素晴らしいです。「こういう考えの人嫌いじゃない。」と思い、早速彼の他の動画を見ながらチャーハンなんかも作ったりしてみました。(これもまたシンプルで至高)

ドイツへの贈り物

時を同じくして、実はKOZLIFEさんの看板商品のひとつでもあるお箸、STIIKが世界三大デザイン賞でもあるReddot Award 2020 : Product Designを受賞しました。(使ってくださっている皆様、ありがとうございます!)クラフトにも近しい竹のお箸が、名だたるメーカーと並び賞を頂けるとは本当に名誉な事です!実はこのお箸はKOZLIFEさんとのミーティングにて「洋食に合うお箸ってないよね〜ホント。」という一言から端を発したのですが、その秘話はまたいつか。受賞に向けては色々な方にご協力を頂きました。ドイツのケルンに在住している友人にもドイツ語訳を手伝ってもらいまして、そのお礼にと日本からインスタントラーメンを箱一杯に詰めて贈りました。無事に到着し、ラーメンが大好きな彼は非常に喜んでくれたのですが、この「日本酒ラーメン」をどうしても教えたく、彼にリンクと作り方を教えた数日後、1枚の写真が送られて来たのです。

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僕が作ったのより、凄いじゃないか。卵は半熟だし、ネギなんて焼き目が付いている!2種類のネギってどういうこと!?ちゃんとSTIIK入れて写真撮ってある・・・・完全に負けました(笑)。彼曰く「Best ramen hack ever.(今までで最高のラーメンハック)」だそう。ドイツでは話題にはなってないでしょうし、ロックダウンが続いていた時のドイツに、少しでも楽しさを贈れたかなと思い、とっても清々しい気分になりました。

LLFK-vol05 フライパンに水を入れて、パスタを直接投入。小麦粉特有のとろみが染み出て良い感じに仕上がります。

お酒を飲みながら適当さを振りまきつつも、真剣に料理をするリュウジさんには、小さなヒントをもらった気がして、「そうだよな、毎日楽しくご飯が食べれるちょっとしたヒントを人に教えたり、一瞬クスッとさせるだけでもなんか気分って良くなるもんだよな・・・。」と少し肩の力が抜けた気がしました。 他の人のレシピ動画も気になって見てみたけれど、躊躇してしまう物もありました。理由は「わざわざ買いに行かないといけない材料がある」ということ。今まさに家にあるもので楽しめるもので楽しむ、その感じが僕の「今の気分」にピッタリだったのです。

いつもと違う方

これは僕の考えですが、お金は沢山あるに越したことはない。ですが、お金がありあまると、ひとつひとつの買い物に少し鈍感になると思っています。それと同じで、時間がありあまると一瞬一瞬を大切にしなくなる。本当にそれで良いのだろうか?本当の時間の使い方って何なんだろう?そうずっと考えています。もしかするとその答えのひとつは、「いつもと違う方を選んでみたら」という思考回路で、一瞬一瞬を寄り道しながら笑って楽しんでみる。そこに何か気付きがあると思うんです。ベッドで昼間からダラダラしてみる事もいつもやらない事でしたし、それがなければこのラーメンにも出会っていません。

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こだわるという事も自分のキメを細かくする事には変わりないのですが、こだわりすぎると疲れちゃうと思うんです。だから、多少不安だったとしても「これでも意外にいけるんじゃない精神」で過ごしてみる。そして、同じ事を思っている人っていないかなとネットで検索してみてください。いるんですよね、同じ考えの人って。つい先日も、冷製スープ的なの飲みたいな〜って突然思ってもジャガイモがない。で、ネットで調べてみると・・・・ポテトチップスで代用してる!そしてやってみると、そういう時に限ってとても良い結果になったりする事が多い。そして、それは自分のユニークな人生経験として深く刻み込まれます。

つづく

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和田 健司 オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。