~亡き父 桜への想い~
戦時中、高岡の亡父正明氏は教師をしておりました。
「無事にこの桜の元に帰って来い」と涙ながらに学生達を送りだしました。
しかし戦争は激しさを増し、教え子たちの多くは帰ってきませんでした。
悔恨の想いと今後このような戦争が起きない様にと平和の想いを込め、正明氏は教え子たちが眠る戦地にも咲く、丈夫な桜「陽光」を開発しました。
2001年9月10日に(92歳)で亡くなるまで、世界の平和を願って「平和のシンボルに」各地の公園や学校、寺社などに苗木を贈り続けました。
国内だけでなく海外へも贈呈しました。
桜の中で一番知られているのは「染井吉野」ですが、病害虫に弱く、寿命は40~50年といわれています。
花が先行し、花色、花付きがよく、樹勢の強い品種が求められていました。 試行錯誤をくりかえしながら200種類あまりの中から、最良の組み合わせで作出され、“天地に恵みを与える日の光”という意味の「陽光」と命名し、 農林水産大臣から、桜としては全国で初めて、種苗登録147号として証明されました。
この品種は、「天城吉野」に「台湾緋桜」を交配してつくられた、実生苗の中から選び抜き、生育させたもので、樹勢は強く、テングス病に強く胴枯れもしません。
開花期はソメイヨシノより、色が濃くて早く咲く等で区別が出来ます。 蕾の色は明るい赤紫、花は下向きで、一重の抱え咲きで花弁全体の形は円形、切れ込みは小さく、表面のしわも小さく、長さは短い、巾は中、枚数は5枚です。 鮮やかなピンク色(緋色)が特徴の大輪です。
樹形は傘状、樹高は高木性、皮目は中、樹皮の裂け方は横裂、枝の太さは中、色は褐色、分枝性は中程度で、葉の全体の形は楕円形、先端の形は尾状鋭形、 基部の形は鈍形、葉緑の鋸歯の状態は深く、葉の長さは長く、巾は広く、厚さは厚く、あらゆる点でご満足いただけるものと確信いたしております。
育成地(愛媛県)における開花は3月中旬から3月下旬です。
平和の桜を届けて
2015年にはついに映画化されました
故高岡正明氏が生涯をかけて陽光桜にかけた想いが、映画化され全国で上映されました。
『陽光桜-YOKO THE CHERRY BLOSSOM-』
故高岡正明夫妻。平和の桜を届けて