機械式時計とは

歯車やレバーなどが精密に組み上げられた機械を、「ゼンマイ」の力を利用して動かしている時計です。
巻き上げられたゼンマイのほどける力が動力源となって歯車に伝わり、針を動かして時刻を指します。
稼働させる方法としてい主に「手巻き」、「自動巻き」とに分けられます。
※「ゼンマイ」は渦巻き状で弾力のある金属製の部品で、長い帯の形をしています。

自動巻きとは

時計内部の機械に「ローター」と呼ばれる振り子の役目をする部品が組み込まれており、時計を装着している状態で、日常的に腕を動かす動作を利用して「ローター」を回転させ、自動的にゼンマイを巻き上げていく仕組みです。
止まっている状態から使う場合、軽く時計を左右に振って、リューズでゆっくり10~20回程巻き上げ、針が作動するのを確認してから時刻を合わせて使用します。
ほぼ毎日の使用であれば手巻き式のようにリューズで巻き上げる必要はありませんが、年式が古いものや、自動巻きの巻き上げ効率が構造上低い時計は、装着前にリューズを手巻きし、ゼンマイの巻き上げを補ってください。

手巻きとは

機械内部のゼンマイを時計本体にあるリューズ(時刻を合わるためのつまみ)を使用し、手動で巻き上げ稼働させる仕組みです。
リューズを通常12時方向に20~30回目安にゆっくりと巻き上げます。
1度の巻き上げで約24時間稼働します。
毎日ご使用になられる場合は、同じサイクルで巻き上げを行うと巻き忘れにより止まってしまうことを防げます。
手巻き式時計にはゼンマイの巻き止まりがあり、それ以上巻き上げを行うとゼンマイ切れなど故障の原因となりますのでご注意ください。

クォーツ・デジタル時計とは

電池を使い時計内部の水晶振動子を振動させ、振動がIC回路を経由し、モーターや液晶などにパルス信号として伝えられ時刻を表示します。
液晶などを使い数字で表示するものを「デジタル」、針で表すものを「アナログ」の2種類に分けられます。

使用上の注意

■衝撃
機械式時計は衝撃が原因で致命的な故障が起こる恐れがあります。
誤って落としてしまったり、ぶつけてしまうなどの直接的な場合はもちろんですが、ゴルフやテニス等のスポーツ時の手首への衝撃は、間接的にも時計に伝わるので同様に注意が必要です。

■防水機能
ヴィンテージウォッチは外装部分などの経年により、元々の防水機能は維持されておりません。
したがって、原則的に「非防水時計」としてのご使用をお勧めします。

■磁気
時計内部が磁気を帯びると精度に大幅な誤差が生じ、正常な稼働を妨げる原因になります。
スピーカーやテレビ、家電製品や携帯電話などの磁気製品の半径5cm以内には長時間の放置をしないようにしてください。

■時間の誤差
機械式時計の場合は日差(1日を単位として生じる誤差)が生じますので、数日毎に時刻修正が必要となります。
誤差は年式や時計の状態、機種によって異なります。

■保管場所
保管する際は、高温多湿、埃っぽい場所は避け、時計ケースなどに入れ保管してください。
防虫剤や乾燥材を使用しているタンスなどに保管すると、薬剤の成分により時計内部の潤滑油が変質する恐れがありますのでご注意ください。

■分解掃除
機械式時計には機能の回復と維持を目的とした定期的な分解掃除(オーバーホール)が必要になります。
購入後、通常使用で新品なら5年前後、中古、またはヴィンテージの場合は3~4年(年式や状態により異なります)経過したものは機械内部に使用されている潤滑油が消耗していくため、そのまま使用していくと歯車など部品の摩耗が著しく進行し、コンディションが低下していきます。
使用上問題がない状態でも、故障を未然に防ぎ、将来的にコンディションを維持していくためにも、定期的に専門店で点検、整備されることをお勧めします。