鋳物補修用溶接棒の種類

鋳鉄補修用の溶接棒は大きく分けて3種類あります。

ニッケル100%の溶接棒は、溶着金属の硬化が少なく、 溶接後の加工性に優れています。ただし高価です。
代表銘柄は、神戸製鋼のCI-A1やマツモト機械工業のMAC-100です。

ニッケル55%の溶接棒は、ニッケル100%よりも溶接後の加工性はないですが、 価格、対割れ性に優れています。
代表銘柄は、神戸製鋼のCI-A2です。

鉄の溶接棒は、母材との色なじみ、価格については優れていますが、 溶接後の加工については劣ります。
代表銘柄は、神戸製鋼のCI-A3です。




溶接棒の材質商品名最小販売単位特徴
ニッケル100%神戸製鋼 CIA-1(CI-A1)
マツモト産業 MAC-100
1本~溶着金属の硬化が少なく、溶接後の切断・研磨等の機械加工が良好、ただし高額。
ニッケル55%神戸製鋼 CIA-2(CI-A2)1本~熱膨張が少なく、対割れ性に優れる。
神戸製鋼 CIA-3(CI-A3)1kg~一番安価で、母材に色合いが近い。溶接の硬化性があり加工性に劣る。



鋳物用アーク溶接棒



TIG溶接による鋳物補修用溶接棒(溶加棒)
TG-S50(TGS-50)

使用用途:鋳鉄の突合せ、補修

TIG溶接でも鋳鉄の補修がしたい、という方へおすすめです。

当店では、少し試してみたい方や、メーカー最小梱包の5kgも使い切れないという方のために、 バラ売り商品も販売しています。






鋳鉄の溶接で補修をする際には以下の2点のコツがあります。

1.補修内容で溶接棒を選ぶ
鋳鉄の溶接棒は、種類により特性が異なります。 溶接後、機械加工が必要な場所では純ニッケル心線のCI-A1やMAC-100を、 割れを防止したい場合にはCI-A2を、 色のなじみを重視したり、小さな欠陥の補修では純鉄心線のCI-A3を使用します。

2.下準備をしっかりする
鋳鉄を溶接する場合、油などの汚れをしっかりと取り除く必要があります。 (油がなじんでいる場合には、補修個所を約400℃に加熱して、油を除去します。)
また、予め欠陥部分を削り、底面に丸みをつけておきます。