高圧ガス用緊急防災工具
酸素などの支燃性ガスやアセチレン・水素などの可燃性ガスを車両にて運搬する場合には、高圧ガス保安法で定められた必要な部材を携行することが義務付けられています。(毒性ガスについては、別途除害のための部材および保護具が必要)
一般高圧ガス用の緊急防災工具は、酸素などの支燃性ガス、水素、アセチレンなどの可燃性ガスを運搬する際に必要な部材がすべて含まれています。
液化石油ガス用の緊急防災工具には、LPガス(プロパンガス)などの液化石油ガスを運搬する際の必要な部材が含まれています。
液化石油ガス用の緊急防災工具は、一般高圧ガス用の緊急防災工具も兼用できるため、酸素・アセチレンとLPガスを運ぶ際には、液化石油ガスタイプの緊急防災工具をお勧めします。
部材名 | 仕様/備考 | 一般 高圧ガス | 液化石油 ガス |
赤旗 | | ○ | ○ |
赤色合図灯 または 懐中電灯 | 車内備付品 でよい | ○ | ○ |
メガホン | | ○ | ○ |
ロープ | 長さ15m以上の もの2本以上 | ○ | ○ |
漏洩検知剤 | ガス漏れ チェック | ○ | ○ |
車輪止め | 2個以上 | ○ | ○ |
容器バルブ 開閉ハンドル または モンキースパナ | 移動する容器に適合したもの | ○ | ○ |
容器バルブ用 グランドスパナ | 移動する容器に適合したもの | | ○ |
革手袋 | | ○ | ○ |
漏洩防止器具 | 可燃用 ガスプラグ | △ | △ |
W22-14(左)用プラグ 液化石油ガス用プラグ | 神奈川県を 通行・通過する場合 |
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警戒標(高圧ガスステッカー)
警戒標は、車両の前方及び後方から明瞭に見える場所に掲げる。ただし、小型の車両にあっては、両面表示のものを運転台の屋根の付近の見やすい場所に掲げることができる。
警戒標は、横寸法を車幅の30%以上、縦寸法を横寸法の20%以上の長方形とし、黒地の金属板に日本工業規格K5673(1983)安全色彩用蛍光塗料の蛍光黄による文字で『高圧ガス』と記載したものを基準とする。ただし、正方形または正方形に近い形状の警戒標を用いる場合には、その面積を600平方センチメートル以上とすること。
常時ガスを運ぶ車両にはシールタイプ、頻度が低い車には取り外しが可能なマグネットタイプが向いています。
車両の前後の見やすい場所に高圧ガスステッカーを1枚ずつ張り付ける必要
車幅の目安 | | 1700mmまで 例)一般車両など | 2000mmまで 例)トヨタ ハイエース (TOYOTA HIACE)など | 2500mmまで 例)大型トラックなど |
警戒標のサイズ | | 110mm×510mm | 120mm×600mm | 150mm×750mm |
| シールタイプ | 1枚単品 |
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| 2枚セット |
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| マグネットタイプ | 1枚単品 |
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2枚セット |
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車幅にはサイドミラーは含まれません
車幅は、サイドミラーを除いた車両の幅になります。通常の一般車であれば110×510mmの高圧ガスステッカーで対応可能(車幅1833mm以下)になります。
トヨタのハイエースワイド(1ナンバー:車幅1880mm)など一部車幅が広い車両は、120×600mmの警戒標(高圧ガスステッカー)を使用してください。
また、大型トラックについては150×750mmのステッカーを使用してください。
消火器
酸素やアセチレンやLPなどの可燃性ガスを車両で運搬する際には、消火器の携帯が義務付けられています。
積載する消火器については、ガスの種類や量によって決められています。
1. 圧縮ガス ~15m³または、液化ガス150kg以下
消火能力 B-3以上の消火器、PEP-4V、PEP-10Vが必要になります。
2. 圧縮ガス 15m³~100m³または、液化ガス1000kg以下
消火能力 B-10以上がの消火器、PEP-20V、PEP-10V2本が必要になります。
※合算可
※溶解アセチレンガスは7kg=7m³として計算します。
※空容器、空瓶も充瓶として扱います。
| PEP-4V | | PEP-10V | | PEP-20V |
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運搬可能 本数 | 酸素アセチレン 各1本 または LP50kg×3本 | | 酸素アセチレン 各1本 または LP50kg×3本 | | 酸素アセチレン 各3本 または LP50kg×20 |
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消化能力 (油火災) | B-3 | | B-7 | | B-12 |
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サイズ | H 約430mm W 約200mm 胴径 約105mm | | H 約499mm W 約210mm 胴径 約135mm | | H 約579mm W 約230mm 胴径 約156mm |
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重量 | 約3.7kg ブラケット装備時 約4.2kg | | 約6.2kg ブラケット装備時 約7.4kg | | 約9.3kg ブラケット装備時 約10.8kg |
運搬する高圧ガスの量によって、積載すべき消火器の種類・本数が異なります。
漏洩防止器具(プラグ)
神奈川県内を通行・通過する車両は、漏洩防止機器が必要になります
神奈川県では、「水素などの可燃性ガス」「プロパン」などを運搬する際、漏洩防止器具として運送する容器に適合する、「容器バルブ用袋ナット」又は「プラグ」が必要になります。
可燃性ガス:W22-14(左)ネジのプラグ
LPガス:W22.5-14山【左】LP用 プラグ
イエローカード
イエローカードは、その名の通り黄色い用紙で、そこには事故があった場合の対処方法、危険性や緊急連絡先などが記載されています。
高圧ガスを運搬する場合、ガスの種類ごとに異なるイエローカードの携帯を義務付けられています。
複数のガスを運搬する場合、ガスの種類分用意する必要があります。
イエローカードはガス毎にあります。
〔支燃性ガス、可燃性ガス〕
酸素、液化酸素、溶解アセチレン、プロパン、液化石油ガス、エチレン、メタン、水素ガス(圧縮水素)
〔その他一般ガス〕
ヘリウム、炭酸ガス(二酸化炭素)、窒素、アルゴン、空気、液化アルゴン、液化窒素
ボンベカバー
夏季になるとトラックに積んだ高圧ガス容器は直射日光により温度が上昇し、40度以上になることがあるため、運搬の際にはボンベカバーなどを容器に取り付け「容器温度を40度以下に保つ措置」が必要になります。
40度以上になると、容器爆発という最悪の事態を防ぐため、ボンベの安全弁(破裂板)が作動し、中のガスが噴出することがあります。
LGCも同様に容器内部の圧力が上昇することで安全弁が作動し、ガスを放出します。
安全性を高めるだけでなく、コスト削減のためにもボンベカバーの装着をお勧めします。
ガスの 種類 | 容器サイズ | 適応ボンベカバー | |
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酸素 窒素 アルゴン 炭酸ガス など | 47L容器 30kg容器 | 酸素用 ボンベカバー | | |
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アセチレン ガス | 7kg容器 | アセチレン用 ボンベカバー | | |
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液化ガス(LGC) | 175L容器 176L容器 | LGC用 ボンベカバー | | |
高圧ガスの運搬に関する法令
高圧ガス保安法
第二十三条 高圧ガスを移動するには、その容器について、経済産業省令で定める保安上必要な措置を講じなければならない。
2 車両(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第一項に規定する道路運送車両法をいう。)により高圧ガスを移動するには、その積載方法及び移動方法について経済産業省令で定める技術上の基準に従つてしなければならない。
積載方法及び移動方法について経済産業省令で定める技術上の基準 抜粋
警戒標の提示
容器温度は、40度以下に保つ
転倒防止措置