亥之吉は京都の染め屋、京美染色株式会社が提供するオリジナルブランドです。
和モダンな柄が特徴ですが、このデザインの発端は・・・
自社で所蔵している明治時代からの
数冊の図案集です。
手描きで描かれた柄はどれも素晴らしく、
なんとも面白く私たちの目に映りました。
これを復刻し、たくさんの方に「見ていただきたい」という
思いから亥之吉ブランドは始まりました。
自社でインクジェットプリントしております。
帆布のしっかりした生地に、和柄がモダンに
デザインされた亥之吉の人気商品、中トートです。
デザインと共に、発色の良さも人気の秘密です。
たくさんの古い図案集から厳選した柄を、スキャニング。
パソコン上で柄の輪郭をトレースし、デジタルデータに
仕上げていきます。(大変手間のかかる作業になります)
商品アイテムに合わせ、柄の大きさ・間隔・配置などを
調整します。
大事な配色も色違いで何パターンも作成して、
スタッフみんなで意見を出しながら決めていきます。
イベント出店やメール・レビューなどでお客様の
「こんな配色がいい」「こんな柄作って欲しい」と
いうお声も参考にさせていただいております。
布の状態と実際にがま口になったものでは
デザインの見え方が違うので、数パターン
プリントした生地に、がま口の形の枠をはめて
柄の出方や大きさをチェック。
「もっと派手なのが可愛いかも?」
「もう少し柄を小さくしようか?」など、
納得するまで何度も話し合い&調整が続きます。
生地はそのままプリントしても美しい色が
出ないのです。
色の滲みを防ぎ、発色を良くするために
重要な前処理をしなくてはなりません。
その処理も自社の設備で行います。
長年培ったノウハウで生地の特徴を活かした
処理を行なっております。
デジタルデーターができたら生地にプリント!
ではありません。
その前にまだまだすることがあります。
弊社はテキスタイル用インクジェットプリンターを
2台保有しております。
とても大きな布用プリンターのような感じですね。
生地は幅も広く、長さも50m以上あります。
その生地へのプリントは温度や湿度などによって
色味が常に変わりますので、熟練した職人が常に
目を光らせ品質管理をしながらプリントしております。
色はもちろんスレなどもないかしっかりチェック!
インクジェットプリンターとは違う味わい。
手捺染の「さんかくポーチ」は綺麗な発色と
職人技が光るがま口ポーチです。
自社工場で染める手捺染は、色ごとに版型を作成して
一枚一枚手で色刷りしていきます。
版型は色別にパソコンでトレースしたデータを
スクリーンに焼き付けて、プリントしたい部分を
透けさせます。
(昔、プリントゴッコという年賀状プリントが
ありましたが、その版を作る感じです)
色の数だけ版型が必要になります。
染めたい色を作る作業です。
グラム単位で数種類の染料を合わせます。
微妙な配合で色が変わりますので、色が決まるまで
なんども試し刷りをして調整します。
(いつも同じ色にするため、細やかな職人技が必要です)
配合した染料と布に定着させる糊を混ぜ合わせた色糊を
版型で生地に染めていきます。
ゴムベラで下から上、上から下に、
染料を生地に染めていきます。
微妙な力加減で色の濃度が変わるので、
一定の力で同じように染めるには熟練の
技術が必要です。
版型の枠の下の部分に混ぜ合わせた色糊を
流し込みます。
1型、1色ずつです。
1ヶ所染め終わると、型枠ごと移動させて
次の場所を染める、その繰り返しです。
色を重ねる際、版がずれないよう枠の間隔で
セットしていますが、擦れたり
ずれたりしないのは、やはり職人技です。
使用した版型は染料が固まらないよう水で
洗い流します。
冬は寒く、夏は暑い仕事場で職人さんが
頑張ってくれています。
縫製・がま口加工は京都市内の工場に
依頼します。
生地のプリントから商品製作まで京都で
一貫して行っています。