思わず香ってくるような、お花の絶えないインテリアが素敵な大塚彬子(あこ)さんのお家。インスタグラムではそんなインテリア写真と共に、家や空間作りのヒントも投稿されていて、読むのがとても楽しいんです♪独立し、建築デザイナーとして活躍されているあこさん(皆さんと同じく“あこさん”と呼ばせていただきます!)のお家を覗いてみました。
「シンプルで、飽きのこない、けど、ちょっとセンスの良さも感じられる。子供達も受け継ぎたいと思うような、ずっと愛される家」というのが私の目指すインテリアテーマです。(あこさん)
そして、その根底にあるのは、「安心感」ですね。
みんな、いつもありのままの自分でいられたらいいけれど、社会や学校ではきっと、ちょっと上の自分を目指して(笑)頑張っていますよね。
本来の自分に帰り、安心出来る場所が家。
家に帰って来た時、ホッとする感覚は誰しもがあるものだと思うけれど、その感覚はいつも大切にしていたいし、子供達が「やっぱりお家はいいね〜!」と言ってくれるとすごく嬉しいです。(あこさん)
家の主役は、あくまでも住む人たち。
インテリアは飾り立てるものではなく、家族の背景だと思っています。
あまり柄物は取り入れず、自然界にある色味だけを使うこと。
余計な情報や刺激を脳に与えず、そこにいるだけで自然と満たされていく。
シンプルで、本当に心地のよいインテリアを日々探っています。(あこさん)
住む人が「主役」であり、インテリアは「家族の背景」。
素敵なインテリアで暮らしたい!と想いをめぐらせて、いろいろ調べたりするも、結局何も出来ていない…なんてことはありませんか?あこさんのこの言葉を聞いてハッとしました。
主役は私たち。主役ありきじゃないと「背景=インテリア」は生まれません。頑張りすぎていた肩の力がフッと抜けた感覚になりました!
KOZさんで取り扱われているアイテムは昔からすごく好きで、初めての購入が約7年前でした。(思い出せなくて、購入履歴を検索しました笑)(あこさん)
初めて購入していたのが、ケーラーのボタニカという、イエローのフラワーベースです。
今でも愛用していて、一昨年の仕事の撮影の際にも使わせて頂きました。その時、それを気に入った私のお客様も同じものを購入されたんですよ。
色がすごくきれいなアクセントになるフラワーベースで、7年経っても、春になると必ず使いたくなるアイテムです。(あこさん)
※KAHLER ボタニカは取り扱いを終了しています。
同じく、ケーラーのウワスラジャグもKOZさんで発見して購入したものです。
キッチンツールを入れたり、お花を飾ったり。
ジャグ以外の用途で使っているのですが、口が広いので洗いやすく、飾りやすくて、本当に重宝しています。
購入当時、このジャグの取り扱いをしているお店が少なかったと思います。
昔から、何か目新しくて素敵なインテリアアイテムがないかチェックする時には、KOZさんのサイトをのぞかせて頂いています♡(あこさん)
そして、もうひとつお気に入りのアイテムが、ferm LIVINGさんのデコフレームという壁に飾るアイテムです。あまりにも良いので、至る所でおススメしています(笑)。
そのまま飾っても素敵だし、3つのフレームの取り外しが出来るので、ボリュームを調整したい時には1つだけや、2つの組み合わせで飾ったり、フレームにワイヤーなどでドライフラワーや実モノを取り付けて、季節を楽しむことも出来ます。(あこさん)
本当に、組み合わせは無限大で!
インテリアアイテムを増やしたくないけれど、素敵に暮らしたい。というミニマリストさんにも、壁を飾りたいけれど、何を選んだらいいのか分からないという初心者さんにも、ずっと永く楽しんで使い続けることのできる、おススメのアイテムです。(あこさん)
季節を感じるデコレーションの数々…。愛用してくださっている様子が伝わりました!ありがとうございます!!
インテリアの色んなお悩みを、ほぼ全て解決してくれるのがポスターだと感じています!
よく聞くインテリアのお悩みのひとつは、ごちゃごちゃしていて、、、
という、モノが多くてスッキリしないというお悩みです。
その場合、「ここを見てね!」という1点集中の場所をポスターでつくることによって、他のごちゃごちゃに目がいかなくなるという効果があります。
お部屋全体も素敵になるので、もっと素敵にしたい!
と、ごちゃごちゃを片付ける意欲も、きっと湧いてくるはず(笑)。(あこさん)
その反対に、殺風景でさみしい。というお悩みもよく聞きますが、ポスターを飾ることで、その場がガラリと素敵な空間に変わっていきます。何枚か飾るとリズム感も生まれるし、そこからワクワク感や幸福感にもつながっていきます。
アロマテラピーなど、香りで心身の調整をする自然療法がありますが、私は、「ポスターテラピー」たるものがあると思っています。私たちは自分が日々目にするものから、自然と影響を受けているんですよね。
「今は、この色が好きで癒される」「こんな自分を目指したい」など、その時々で選んだポスターを後から見返してみると、ちゃんと意味がある。毎日をポジティブに変換してくれるのがポスターだなって思っています。(あこさん)
ポスターを飾る時に、一番気を付けているのはサイズ感です。
サイズ感を間違うと、せっかくポスターを飾っているのに、あか抜けなくなってしまうので気を付けて下さい!飾る壁幅の約半分のサイズが目安です。
ポスターを飾るのが初めてだと、怖くて、小さいサイズのA4やA3から試そうと思ってしまう方が多いんですが、私が一番使えると思うサイズは、50cm×70cmのサイズです。
床置きにしても視線の高さに入ってくるサイズなので、壁に穴を開けるのが嫌、面倒。という方にもおススメです。ちなみに、床置きにする際には、置く場所の壁幅とのサイズ感は考えなくて大丈夫です!1枚置くだけで素敵になるので、ぜひ気軽に試してみて欲しいです。(あこさん)
ちょっと暗い話になってしまうので、ここでお話をするか迷うのですが(笑)。小さい頃、家業の経営状況がよくなくて、父と祖母が毎日ケンカをしていたんですね。
その頃、すごく素敵な、広い庭付きの一軒家に住んでいたんですけど、状況がそんな感じだったので、会社が倒産して祖母との同居を解消する小学2年生まで、私は全然笑わない子でした。色んなことを感じるのが怖くて悲しいから、感情を閉じ込めていたんですね。(あこさん)
そんな辛い時期に癒されていたのが、庭に咲くお花達です。実家は雪が降る田舎なんですが、春になるのが楽しみで。まだ雪が残る土の上でチューリップが咲いたりすると、「わあ」って気持ちが明るくなりました。
今、家と暮らしをつくる仕事をしていますが、どんなに素敵な家であっても、そこに住む人達が幸せを感じられないと意味がないと思っています。(あこさん)
お花は、その時々でいつも気付きをくれます。
花を咲かせるのはエネルギーをものすごくつかうこと。
花開くのを信じて待つことが大切だということ。
自分が身を置く環境についても、考えさせられます。
お花は、環境が悪いと、すぐに枯れたり、咲かずに終わってしまうことがあるんですね。そこは、自分に合った環境か?
目で見て癒され、楽しむだけじゃなくて、色んな気づきをくれるのが私にとってのお花。暮らしに欠かせない存在です。(あこさん)
いつもお花を美しく暮らしに取り入れているあこさん。そんな過去のエピソードから生まれた想いは、1本芯の通ったしなやかな「強さ」になったように感じました。
小さい頃はお花屋さんになりたくて、今もまだその夢が捨てきれず、リノベーションとインテリアとお花のお店をいつかオープンしたいというあこさん。小さなつぼみがだんだんと花開くように、きっとその夢がかなうことを祈っています!
独立したきっかけは、家づくりだけでなく、暮らしづくりもサポートしたいと思ったからです。
家を建てるまでが仕事のハウスメーカーや工務店では、その後の収納やインテリアのサポートまでは出来ないんですよね。
会社員時代、ご入居後に訪問をさせていただく機会が沢山あったんですが、お伺いしたら沢山のモノに溢れていて……素敵な家なのに素敵な暮らしとは程遠く、悩んでいる方が多かったんです。
収納をどうおさめていいのか、しまい方が分からず片付けがなかなか進まない。
ポスターをどこに飾ったら素敵になるのか分からず、買ったものがそのままだったり。
私自身も自宅をリノベーションしたのですが、引っ越し後がすごく大変で、その部分までサポートをしてもらえたらどんなに気が楽になるだろうと思ったんですね。(あこさん)
ただ最初は、リノベーションという大きな仕事を自分でしようとまでは思っていませんでした。
主にお引越し後の暮らしづくり、収納やインテリアサポートをメインにして、家づくりに関してはアドバイスやコンサルで留まろうと思っていたんです。
それが色んなご縁がつながって、今の仕事になりました。
私とお仕事をして下さっている方々には、本当に感謝の想いでいっぱいです。
でも、20代の頃は葛藤だらけでした。
小さい頃に家業が倒産して経済状況が苦しい中、無理に東京の私立の大学に進学したので、たくさんの奨学金を借りました。
本当は、卒業後すぐにインテリアの仕事がしたかったんですが、インテリア業界って、すごくお給料が低いんです。東京で一人暮らしをしながら、ちゃんと奨学金を返していける職種として、ハウスメーカーの設計職を選びました。分かってはいたけれど超ハードワークで、新人の頃は毎晩泣きながら帰っていました。
設計1人に対して、営業3〜4人のチームで仕事をするんですけど、営業さんは契約をとりたいから、ベテラン設計さんと組みたい。選ばれなくて、苦しかった時期もありました。
しんどい思いをしている隣で、私のやりたい仕事をしているインテリアコーディネーターの人たちが定時で帰っていくのを見ると、ものすごく羨ましかったし自分の人生を呪いましたね(笑)。(あこさん)
道が開けてきたのは、無事に一級建築士の資格が取得出来てからです。
選ばれる設計士になりたくて資格取得に掛けてきた時間を、今度は収納のノウハウや、好きなインテリアを学ぶ時間に変え、インテリアコーディネーターの資格も取りました。
当時、私がエリアでたった一人の女性設計士だったこともあり、収納とインテリアの力をつけることが、おじさん設計士との差別化になったんです(笑)。それが、今につながっています。
どんなに苦しいことがあっても、目の前のことを一生懸命にやっていたら道は開けるし、自分や相手に必要だと思ったことに、素直に応えて取り組んでいくことが、自身の成長と未来につながると思っています。
まじめですね、わたし(笑)。(あこさん)
「笑顔」と「会話」です。
実は私、昨年離婚したんです。
これを聞くと、「ええっ!なんだかすごく大変な人生じゃん!」って思う方もいるかもしれないんですけど、私の幸福度は年々上がっています(笑)。
結婚生活には笑顔と会話、そのどちらも足りなかったなって思っています。もちろん、当たり障りのない会話じゃなくて、本音の会話と心からの笑顔。今一緒にいる子供達にはその話をシェアして、会話をする時間を大切にしています。(あこさん)
数年前までは自分の気持ちを話すことも苦手で、それ以前に自分の本当の気持ちに気付くことも出来なかったんです。離婚に至るまでの過程で、幼い頃からの感情のフタやトラウマ、思い込みに気づき、それをどんどん解放していきました。今は自分への理解が深まり、幸せだと感じる心の感度も高くなりました。
私がどんなものに囲まれて、どんな人達と付き合い、どんな人生を送っていたら幸せなのか。価値観を整理し、それに素直に従うことも大切にしています。
笑顔と会話。このふたつは、人間にだけ与えられた特権なんですよね。
昔、笑顔を封印していた期間を取り戻すべく、これからたくさん笑って、豊かに暮らしていきたいと思います!(あこさん)
お家も素敵で、華やかなお仕事で…と誰もが羨む暮らしをされていると思いきや、子どもの頃のトラウマや、一筋縄ではいかなかった仕事への取り組みがあったことにとても驚きました。
悲しくても、辛くても、花が太陽の方を向くように、少しの光を見出してコツコツ進んでいったあこさん。その一生懸命さが、今の暮らしを作り上げていったのですね!心に響くお話を聞いて、励まされた感覚になりました。
お花が大好きなあこさん。そのあこさん自身も、たくさんの人の暮らしに癒しと安らぎ、そして気付きを与えてくれる、お花のような存在なんだなと思いました!
【写真】大塚 彬子(あこ)
大塚 彬子(あこ)Instagram:@aco_1206
一級建築士・インテリアコーディネーター・ライフオーガナイザー。
アイエ一級建築士事務所主宰。家づくりや暮らしづくりを通して、もっと幸せになれる人を増やしたい。という想いを胸に、リノベーションを中心に活動中。2022年3月からは、インテリアの長期講座も開催している。
ホームぺージ:http://akikomaeda.com/