山本工業有限会社の従業員達

山本工業有限会社

管楽器一筋で真鍮と向き合ってきた
卓越した強みを生かし
新たな商品を生み出した
真鍮の職人集団

トランペットのイラスト
クラリネットのイラスト

Profile

海と鳥居の景色

Profile

1966年、山本健一(初代・紡績工場勤務)が知人の伝手で楽器の部品加工を知り、そこから部品加工工場の設立を決意し、起業。
しばらくは取扱い部品が 少量だったため、原付自転車でメーカーに納入していた程の規模だったが、やがて徐々に軌道にのり、1971年に法人化。
以来、管楽器部品加工を主軸に順調に事業を拡大してきた。
なお、所在地である静岡県湖西市は浜名湖に面しており、トヨタ自動車の生みの親・豊田佐吉の生誕の地であることから、「モノづくりの聖地」とも言われている。
海と鳥居の景色
石像
石像
クラリネットのイラスト
ホルンのイラスト
BRASS MISTERS

真鍮の名工集団

工場での作業風景

真鍮(BRASS)とは、一言で言えば、銅と亜鉛の合金である。その特徴としては耐食性、加工性、装飾性が挙げられる。
ゆえに、多岐にわたる産業や製品において重要な素材として利用されているが、特にトランペットをはじめとする金管楽器によく使われる材料として知られるのは、言うまでもない。

そして、その出来=音色が、銅と亜鉛を混ぜる比率によって変化するという。
そこに楽器としての個性が生まれ、それを仕上げにおいて、際立たせることもあるようだ。

機械による作業風景

例えば、銅70%+亜鉛30%のイエローブラスは、明るく、張りのある音色となる。また、銅85%+亜鉛15%のゴールドブラスは、幅のある豊かな音色を生み出す。

山本工業は、こういった真鍮の特性と50年以上向き合ってきた。
音色という、繊細この上ないものを生み出すための器具「楽器」の小部品は、車や飛行機の巨大な本体におけるエンジンと変わらぬ重要性と存在感がある。損なわれるわけにはいかない。
だからこそ、彼らは各現場でひとりひとりが、細やかこの上ない作業技術を鍛え続け、それを会社と自らの誇りとしている。

工場にある機械

「一貫生産体制」。
それが彼らの特長の一つだ。

管楽器を通して真鍮をあつかう上で、曲げ、切削、ロウ付け、研磨など様々な工程を社内で完結させ、仕上げにはとことん外観の美しさを突き詰める。
その際には常に、「自らの加工技術を生かし切っているか」「真鍮という素材の魅力を引き出し、表現できているか」という自問自答が繰り返されている。

トロンボーンのイラスト
ホルンのイラスト

真鍮が導いた挑戦

話し合う従業員達

創業以来、管楽器一筋で真鍮と向き合い、時には格闘してきた職人たちだが、年月を重ねるうちに、手元の小部品から「さらなる真鍮の可能性」を囁かれるようになっていた。

そもそも、山本工業においては三つの信念である「誠実」「挑戦」「幸福」が尊ばれている。
このうち、「挑戦」については、従業員たちは「お客様の期待に応え続けるための原動力です」と定義している。企業進化の礎ともいえるだろう。

工場の中の様子 フルートのイラスト

「ものづくり企業である我々が、常に変化する時代や顧客のニーズに応え続けていくために、自社や自分の変化や失敗を恐れず、常に新しいことにチャレンジを続けて行くことこそが事業の存続に繋がっていくものと考えています」

そのために社内では全員が自ら行動できるよう裁量を増やし、「何もしないより、挑戦して失敗した方が価値がある」という共通認識が確立している。

真鍮の可能性は、そのまま自分たちの可能性である。
そして、取引企業からの注文ではなく、従業員が一から企画を起こして商品を作ることは、間違いなく、それ自体が大きな挑戦に他ならない。
彼らがそれを解した時点で、もう、やらない理由は存在しなかった。

分業して作業を行う従業員達

「弊社では、作業ごとに分業制を敷いているので、別グループの作業は知らない従業員がほとんどです。まずは自社全体が持つ技術や機材の洗い出しを行い、世の中のニーズと、どうにかして結び付けていける自分たちの強みが何かを考えました」

独自の数々の細やかな技術に加え、フットワークの軽さ、そして柔軟な対応力。

「自分たちには、卓越した強みがある」
山本工業の中で「BRASSCENE」が動き始めた。

フルートのイラスト
ユーホニュームのイラスト

炎を奏でる

作業中の従業員

そもそも、無垢の真鍮には、使い込むほどアンティークのような風合いが増し、ゆっくりと深みのある色へ変化するという特性がある。したがって、インテリア用品と相性が良い。

「メッキをかけられていない真鍮が、腐食することなく、そのままに年月を刻む様を、長く見続けて楽しめる」。
そんなこだわりのアイテムをつくるのならば、自分たちの強みを存分に生かせると、彼らは考えた。

そこで考案されたのが「BRASSCENE」の冠をもつ、バイオエタノールランプである。
美にこだわりを持つ人に使っていただく品ゆえに、匂いや煙が少ない植物由来の燃料であることは大事なポイントだ。
屋外、屋内を問わず使用出来るものでなくてはならない。

作業中の従業員

「音の世界」に生きてきた職人たちのアイデアが絶えることはなかった。全員が発案者となった。
しかし、微細な作業の場数を経た彼らも、見たことのない世界に足を踏み入れたことには間違いなかった。
これまでの楽器部品作り で鍛え上げてきた技術が、まるで嚙み合わないのだ。
予想はしていたが、「音色を奏でるモノ」とランプでは、全く趣を異とする。当たり前ながら、用途から違う。

炎を奏でる様子

「やりたいこと」と「できること」の間で各自が翻弄され、試行錯誤する状況が続いた。連なる課題に、絞り出すような打開策が必要だった。
だが、それでも彼らにはそのプロセスや、作業そのものが、楽しみでもあった。
挑戦の価値を知り尽くしているからこその、苦を苦としない心意気がそこにはあった。
全員が時間と戦い、コストに悩み、技術を駆使しつくした果てに、こだわりを詰め込んだ「炎を奏でるモノ」は誕生した。

トロンボーンのイラスト
トランペットのイラスト

「作業服のブラスバンド」

作業中の従業員

バイオエタノールランプの完成は、そして好評は山本工業にとって大きな自信となった。

長年やってきたことが、十分に別ジャンルで通用するという事実。ユーザーからの感激の言葉に後押しされ、彼らは更なる挑戦に意欲を燃やしている。
勢いに任せてではない。創業以来、一貫生産体制の中で、各自が職人として自らの技量の研鑽を重ねたからこそ、それを奨励する社風があるからこそである。

従業員の写真

「日頃から情報を仕入れ、トレンドに敏感であるように心がけています。
そのトレンドと真鍮という素材・弊社の加工 技術を組み合わせて何か新しいものができないか?日頃からアイデアブレストをしています。これはすごく楽しいですね。
その一方で、トレンドに左右されすぎずに、長く使われるアイテムであるかという視点も大切にしています。
とにかく、自分たちの作りたいものが形になった時の感動は何物にも代えがたいですよ」

作業中の従業員

従業員の8割が女性という山本工業。
繊細な仕上がりを要求される品々を、ひとりひとりが自身のパートで技巧を駆使して仕上げていく。
そんな過程で「BRSSCENE」を冠されるに足る作品が出来上がる。
その様は、あたかも会社そのものが大人数のブラスバンドであるかのようだ。
だからこそ、調和と美観と機能を備えたモノが生まれてくるのである。

彼らは次はどんな「名曲」を披露してくれるのだろうか。
期待は膨らむばかりだ。

従業員の集合写真
サックスのイラスト

Line Up

BRASSCENE商品紹介

バイオエタノールランプ

バイオエタノールランプ

クッカースタンド

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