
マスクメロンの一大生産地の静岡県。
その静岡県で、現状のメロン作りに疑問を持ち、美味しさを追求したメロンを創りたいとの想いから、組合を脱退してまでメロン栽培の研究を重ねていたのが、影山雅也さんでした。
影山さんは研究を進める中で、香り、味ともに極上とされていたにも係わらず、サイズが小ぶりである事や網目があまり美しくないという見た目の理由で、栽培が途絶えてしまった種(Hero of Lockinge系統)が静岡大学農学部に保存されている事を知りました。

その系統の種をベースに研究を重ね、これにより緑肉系(アールスフェボリット)のメロンと掛け合わせること、さらに数々の試行錯誤から独自の生産技術を開発。影山さんの妥協無き追求の結果、お互いの種の魅力を最大限に併せ持つ新しいマスクメロンを創り出すことに成功しました。
規格外れの極上の味ながら、網目が美しくないという理由で世に出なかった幻の逸品が、30年の時を経て復活したその実が「天使音マスクメロン」なのです。
天使音マスクメロンの母親は、白肉系のメロンHero of Lockinge(ヒーローオブロッキンジ)という種。
この種は、昭和28年エリザベス女王の戴冠式の折、秩父宮妃殿下の命により、麻生和子夫人(吉田首相の息女)が10年の歳月を掛けイギリスより持ち帰った種の一つです。
Hero of Lockingeは、とても小さなメロンで、香り高く、クリーミーな肉質と爽やかな甘味が特徴とされます。
そのHero of Lockingeと緑肉系(アールスフェボリット)両方の良いところを最大限に併せ持って生まれた、全く新しいマスクメロンが「天使音マスクメロン」なのです。
Hero of Lockingeとは
1806年創設の英国の種苗会社「サットン社」により1881年に導入されました。
このサットン社は、ビクトリア女王時代の1858年から現在まで英国王室御用達の栄を受けています。
名前の由来は、英国赤十字社の創設者のウォンテジ卿によりロッキンジ公園で発見されたことから、彼にちなんで命名されました。
サットン社のメロンの中でも最高級のメロンと称され、1995年までナショナルリストに掲載されていました。
ペルシャ系の白肉種のメロンで、丸くて小さい500gほどのメロンですが、肉質はとてもクリーミーで香りが高く上品な甘味が特徴です。