10ヘクタール近いドメーヌの区画はフェルマージュがほんのわずかあるだけで、大半が自家所有です。
前当主アランの伴侶オディルは実はかつての名門ドメーヌ、シャルル・ノエラの孫娘であり、リシュブールを始めとするグラン・クリュなど、アランの父が興したドメーヌを倍の広さにまで拡張する際の柱となるアペラシオンを持参したというエピソードがあります。 |
現在ドメーヌでは、シェフ・ド・カーヴには若く才能溢れるヴァンサン・ミュニエ氏、そして1988年生まれの2代目当主シャルル・ヴァンカネット氏の二人三脚でワイン造りが行われています。
樽熟成では以前に較べ新樽の割合は低く抑え、基本的にヴィラージュで1割、プルミエ・クリュが4分の1にグラン・クリュで半分。
ただプルミエ・クリュの場合、クリマとミレジムによりグラン・クリュと同じしつけをする銘柄もあるそうです。
生まれるワインは初代アランが手掛けていた時の強い風味の集中力に共通する点はあるものの、液体に過度な濃さや抽出は無く、シャンボールを本拠とするドメーヌらしいエレガントさに満ちたワインに進化を遂げています。
リシュブールやロマネ=サン=ヴィヴァンなどのグラン・クリュは言わずもがなですが、シャンボルやヴォーヌ=ロマネといった一般的にエレガントなタイプを生むアペラシオンでも、凝縮感も同時に備えたワインに仕上がっていて、飲み応えも十分に感じられる仕上がりです。
店長も2011年、2013年、2020年、2017年と何度も訪問させていただいている思い入れのあるドメーヌです。 1988年生まれでまだ若いとはいえ、すでに凄みを感じさせるワインを造るシャルルさん。 2回目の訪問時にはシャルルさんおススメのボーヌ市内のビストロで一緒に食事とワインを楽しませて貰いましたが、穏やかな好青年の印象でした。 インポーターさんの紹介で何回か来日した経験もあります。 栽培や醸造にもビオディナミや部分的な全房発酵の導入などをはじめ、いろいろなアプローチを試しており、現状に満足せず更なる高みを目指す姿勢が見られます。 そのかいあってか、近年そのワインの専門誌での評価はまさにうなぎ上り。 超一流ドメーヌの仲間入りを果たしていると言っても過言では無いのかも知れません。 そして、これから10年、20年と彼の造り出すワインがどのように発展を遂げていくのか、毎年毎年が楽しみで仕方ありません。 |