物流に愛を 最も東は東京都~西は山口県までだと僕は思っています。 東京~山口は言わば「安全地帯」です。 運送屋さんが、間違いなく発送日の翌日午前中までに配達してくれる エリアの最東端~西端です。 「午前中」という指定がなく、翌日お届けならば、範囲はもっと広がります。 運送会社さん側からしたら「もっと遠くまで可能」という話が出てくるかもしれませんが、とりあえず僕はその範囲を絶対に信頼できるエリアとしてイメージしつつ、日々、受注の業務に就いています。 海を挟んで四国もエリア内です。信州~北陸となると、富山県、長野県までは大丈夫ですが、この時期、雪の影響があるので不安です。 (いくらなんでも雪や嵐には勝てません) 紀州ふみこ農園には毎日、数社の運送屋さんが出入りしています。 出荷する商品を、まず最寄りの集配センターまで輸送するために、数々のトラックが来ます。 その集荷の最終時間、だいたい午後6時半ぐらいです。 夏場なら、ほぼ7時ぐらいまで待ってくれることがあります。 午後7時といえば、夏場でも辺りは暗いです。夜間であり、一日の終わりです。 当然ながら、和歌山県から毎日商品出荷を行うわけで、和歌山を中心に考え、 何時頃出荷したらどこまでなら何時までに届くか、というのがかなり重要になってきます。 その、「翌日午前中に届く」地域の大掴みなイメージが東京~山口です。 午後7時に手元にあるものが翌日の朝には既に相手先のところにある、というのは もう、「ご近所付き合い」だと思います。 その範囲が、(和歌山を中心に考えて)東京~山口とは。凄い。 荷物を遠方まで送る、という事には縁遠い人生を送ってきた自分がこの会社に来て、 最もカルチャーショックだったのが、日本の狭さでした。 人力で移動する訳じゃあるまいし、そりゃ行けるだろう、という話なのかもしれませんが、小さな送り状伝票1枚だけの情報で毎日、確実に、時間通りに、遠く離れた特定の一地点に指定通りに移動可能、というのは凄くないですか? こんな和歌山の辺境の地から。 受注業務に不慣れな頃は、集荷に来てくれた運送屋さんに何回か聞き直したこともあります。 「今、夜の7時前ですけど、長野県に、明日の午前中、本当に着くんですか?」 「明日の午前中ですよ?」 「ここ、和歌山ですよ?」 運送屋さんは平然と「大丈夫ですよ?」と答えてくれました。 こいつは何がそんなに心配なのか、というような表情でした。 でも、考えてみればどんな交通機関を使っても移動は疲れます。 寝ているうちに運んでくれるならまだしも。自分で運転するなら尚更です。 雪深い地域や、イメージ的にとても遠い県などに翌日のお届け指定で出荷する際は、運送屋さんの苦労を思い、多少心が痛みます。 しかし物流のプロ達は、何食わぬ顔で淡々と出荷を引き受けてくれます。 荷物追跡システムもあり、伝票番号で、荷物がどういう状態にあるかも瞬時に検索可能です。 「それが当然」の現在は、便利な時代だなとつくづく思います。 とにかく日本の物流、トレーサビリティシステムのクオリティは素晴らしい、とそういう話でした。 |