木の恩恵について 台風12号により深刻な水害にあった和歌山県田辺市那智勝浦町~太地町に、社用で行って来ました。 想像以上に被害は大きく、圧倒的な水の力で道路や家屋が無茶苦茶に破壊され、泥に被い尽くされた光景が至る所に広がっていました。 改めて自然の猛威というものを目の当たりにし、あの東北の津波被害でさえ、どこかメディアの向こう側の出来事の様な気がしていた自分の認識の緩さを情けなく思いました。 氾濫した那智川の激流によって地面が削られ、根っこが土の中からむき出しになっている大木をいくつか見ました。 そんな姿になってなお、かろうじて埋まっている根っこだけで倒れずに立つ木を見て、「木は土を掴んでいるのだな」と感慨深いものがありました。 たとえば、竹の群生する林は地盤が堅いと聞いたことがあります。 竹の根は強く、複雑に絡み合って地面を支えるので土砂崩れに耐性を持つとか。 (梅などに代表される)落葉果樹などに至っては、地上ではせっせと食用の果実を作って人間にもたらし、土の下では人間の歩く地面をしっかりと支えているわけです。 被災地の空気に実際に触れ、水・災害の恐ろしさに戦慄したのは勿論ですが、もう一つ、深く心に留まったのは、「木の恩恵はとても大きい」という思いでした。 |